濡髪堂という艶っぽい名から、男女の縁結びの神として信仰をあつめ、若い女性や女子学生たちに人気のスポット
知恩院の勢至堂裏にある総墓地には千姫や佐藤春夫の墓があります。
修学旅行や地元の女学生たちが、ぞろぞろとお参りに行きますが、お目当ては千姫の墓の背後にある祠、濡髪堂です。
江戸初期の頃、知恩院本堂では霊厳上人のお説教があり、連日信者でにぎわいました。その中に、オカッパ頭の童子が座っており熱心に聴いていました。
ある日、にわか雨の中を童子が帰ろうとするので上人が呼びとめ、傘を貸してやろうとしました。すると、「実は、私はこの山に住むキツネです。
この度、本堂の改築で私の住む所をなくし、何とか仕返しをしてやろうと思いましたが、上人のお説教を聴いているうちに、恨む心はなくなり本堂をお守りしなければならなくなりました」と、いいました。
上人は哀れに思い、墓地の一角に祠を建て守護神として祀った、というものです。
ところが、濡髪堂という艶っぽい名から、男女の縁結びの神として信仰をあつめるようになり、祇園のきれいどころやOLがお参りし、女子学生たちにも人気となったものです。
知恩院は浄土宗知恩院派の総本山。江戸時代は徳川幕府の庇護をうけて大寺院となりました。
大きいことで知られるものに三門(重文)と釣り鐘があります。三門は、わが国最大の楼門で霊山天皇辰筆の「華頂山」の額を揚げています。楼上には十六羅漢像や極彩色の雲竜図が見事です。
また、釣り鐘は高さ5.4メートル、厚さ30センチ、重さは75トンもある。
毎年、除夜の鐘としてテレビで全国へ中継されますが、撞き手も18人がかりで綱を引く。無論、108の鐘の音は人間の108の煩悩を取り去るというものです。
| 名称 | 知恩院の濡髪堂(ぬれがみどう)濡髪大明神 |
| ご本尊・祭神 | 阿弥陀如来 |
| ご利益 | 縁結びの神様「濡髪さん」 |
| 住所 | 京都市東山区知恩院林下町 |
| 電話 | 075-531-2111 |
| 拝観時間 | 9:00~16:30 |
| 料金 | 無料 |
| アクセス | 市バス「知恩院前」下車 東へ徒歩5分 |