「筆の寺」で知られた正覚庵にお参りする人は芸能上達を祈ります。

正覚庵は東福寺本坊の南、伏見稲荷に通じる境内参道の東側にあります。
11月24日筆供養の日です。正覚庵の境内にある筆塚の前に画家・作家が使いふるしの筆・ぺん・鉛筆を積んでいきます。山伏は境内の渡宋天満宮から取った火で護摩木を燃やし筆の小山に点火します。紫の煙たなびく中で山伏問答がはじまります。山伏の吹きならすほら貝に導かれ、2メートルの青竹の先に稲穂の束をくくりつけ、大筆、大小の筆を手にした稚児行列が練り歩きます。本堂では有名な画家・書家の奉納した美術品が展示されます。境内には文化年間に建てられた筆塚があります。

寺伝によりますと正覚庵は現在地より、西南字正覚にあったので正覚庵と名付けました。
この寺は正応3年(1290)東福寺五世山曳慧雲の開創した山内塔頭の一つです。慧雲は宋に11年宋で修業したことから正覚庵境内に渡宋天神をお祀りしたと思われます。

夢の中で菅原道真は仁治2年(1241)2月18日、宋へ修業に行き、帰国されて筑紫の
承天寺の住職聖一国師をたずねられ「ぜひお弟子にしてくださいと」お頼みになりました。国師は「わたしの弟子とはもってのほかです。宋におられるわたしの師匠仏鑑禅師という高僧について修業なされるのがよい」とおっしゃられた。後日このたびは中国風の巾服を着て、かわった頭巾をつ
け、手に梅花の枝をもってあらわれ、さっそく仏鑑禅師にあい、師よりさずかった法衣であるとおっしゃった。それは神通力で未にわたられたものであろうといわれています。聖一国師は後九条道
家の後援によって東福寺の伽藍をお建てになりました。

名称 正覚庵(しょうがくあん)
本尊・祭神 釈迦如来
ご利益 芸能上達
住所 京都市東山区本町15丁目808
電話 075-257-7977
拝観時間 8:30~16:30
料金 境内自由
アクセス JR・市バス「東福寺」下車

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