嵯峨・薬師寺にお参りする人は生六道地蔵菩薩の仏さんに安産を祈願します。


生六道地蔵菩薩は、安産守護の仏さんとして信仰され、寺では小さな安産のお守りと腹帯を授与しています。
生六道の「生」を「無事に生まれる」と考えたのです。小野篁は、夜は地獄へ行って、エンマさんのもとで働いていたというのです。東山の六波羅密寺の近くにある珍皇寺が、篁が地獄へ行く時の入口だといわれるようになりました。
地獄への入口があれば、出口がなければおかしい。その出口にあたったのが、福正寺という寺です。明治時代に薬師寺に吸収され、ここに祀ってあった地蔵尊も、薬師寺に安置されることになりました。

この近くに有名な産婆さんがいました。その産婆さんにかかると安産するといわれ、そういう言い伝えが高雄の方から妊産婦がこの嵯峨までわざわざ歩いて、長刀坂をこえて出てきて、その産婆さんの家の敷居をまたぐと安産すると言って帰っていきました。
その産婆さんはこのお地蔵さんの信者でありました。こんな話が故老の間に伝わっています。
平安時代の初め、悪疫が天下にまん延した時、嵯峨天皇は、弘法大師に薬師如来の彫刻を命じ、天皇自身も般若心経を写経して、病魔退散と招福を祈念しました。弘法大師は、神護寺で薬師如来を刻み、清涼殿で開眼供養するや、霊験たちまちあらわれ、悪病は去ったといいます。この時天皇が写経した心経は、今も大覚寺の心経殿に納められており、薬師如来も勅封の秘仏として薬師寺に祀られています。
境内には、「夕霧地蔵尊」がありますが、これは遊女夕霧が12歳まで育てられた生家の夕霧屋敷にあったものです。
縁結びの仏として信仰されています。

名称 嵯峨・薬師寺(さが・やくしじ)
本尊・祭神 薬師如来
ご利益 安産祈願・腹帯授与
住所 右京区嵯峨釈迦堂藤ノ木町
電話 075-861-2868
拝観時間 10:00~15:00
料金 無料
アクセス 京都バス「嵯峨釈迦堂前」下車すぐ

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