金福寺の弁財天にお参りする人は商売繁盛・技芸上達を願ってお参りになります。

一条下がり松から東南に300メートルばかりゆきますと山裾にささやかな石垣・石段の構えがあり入口におもしろい形の石に「仏日山金福寺」があります。
それが舟橋聖一「花の生涯」で有名になった村山たかが住んでいた金福寺です。
村山たかは文久2年(1862)壬生にひそんでいたところを勤王浪士におそわれ、三条河原でさらし者にされましたが、恋がたき志津に助けられました。その後尼となり金福寺に入り、巳年生まれのたか女は蛇を使いとする弁財天をお祀りしました。また境内には俳人蕪村・青木月斗の墓があります。
寺伝によりますと平安時代の貞観6年(864)に叡山の安恵僧都が創建したと伝えられます。その後荒れはてていましたが、江戸中期の貞享年間(1684~8)に風流で知られた鉄舟和尚が再興して庵を結び、臨済宗南禅寺派の寺にあらためました。
元禄4年(1691)芭蕉は金福寺を尋ねて
憂いし我を寂しがらせよかんこ鳥 芭蕉
とよみ、鉄舟和尚は庵室を芭蕉庵と名付けたといわれています。その後芭蕉庵はいたみましたが、蕪村は安永5年(1776)に再興しました。四明山下の西南、一乗寺村に禅房あり、金福寺という。「土人口称して芭蕉庵」とよぶ。
階前より水微に入ること二十歩、一塊の丘あり、即ちはせを庵の遺跡なりとぞ。と「洛東芭蕉庵再興記」(蕪村筆)は伝えています。
本堂には聖観音像を本尊とし、脇士に毘沙門天、不動明王をお祀りしています。
| 名称 | 金福寺(こんぷくじ) |
| 本尊・祭神 | 聖観音菩薩 |
| ご利益 | 商売繁盛・技芸上達 |
| 住所 | 京都市左京区一乗寺才形町20 |
| 電話 | 075-703-5175 |
| 拝観時間 | 9:00~17:00 定休日:休日 12/30~12/31、1/16~2月末日、8/5~8/31 |
| 料金 | 無料 |
| アクセス | 市バス「一乗寺下り松」から南東 徒歩10分 |