来迎院のご本尊は薬師如来。昔からとくに耳の薬師さんとして信仰があります。

三千院の門に通じる石段の手前を呂川に沿って登っていくと来迎院があります。
大原来迎院(左京区大原来迎院町)のあたりは魚山とよばれます。
中国の天台山の魚山の名をかりたといわれます。
魏の曹植が魚山に登って谷間からにお経を聞き、遠くの谷までひびきの流れるのにならってつくった宗教音楽が声明といわれるものです。慈覚大師円仁が中国から声明音律をもたらしてこの地を魚山と名づけました。
その後嘉保元年(1094)聖応大師良忍が来迎院、浄蓮華院をたてて勝林院とあわせて融通念仏をひろめ、その最盛期には49院が大原寺と総称したといいます。
来迎院の本堂は室町時代後期に再建されたものですが、平安朝の面影をしのばせます。
正月2日は午後3時半から修正会があります。昔ながらの声明でおこなわれます。
クライマックスになりますと村の若い衆がでてきて33度といって「魔おどし」をします。外陣の広場でササラと柳の棒を持ち、床をたたきながら太鼓と鐘をたたき一拍子で丸くまわり、33度の念仏を唱えながら廻ります。これは大原村の行事で、これをおこたると火災の難にあうといわれます
内陣には薬師如来・弥陀如来・釈迦如来の三尊をお祀りしています。三尊(重文)とも藤原時代の木像漆箔円満なお顔、やわらかい曲線により優美な美を構成しています。脇士には左に不動明王、右は毘沙門天、いずれも藤原時代後期の作品です。外陣には慈覚大師坐像・元三大師画像・聖応大師坐像をお祀りしています。
| 名称 | 来迎院(らいごういん) |
| 本尊・祭神 | 釈迦如来 |
| ご利益 | 耳の薬師さん |
| 住所 | 京都市左京区大原来迎院町537 |
| 電話 | 075-744-2161 |
| 拝観時間 | 9:00~17:00 |
| 料金 | 400円 |
| アクセス | 京都バス「大原」下車 東へ徒歩15分 |