こぬか薬師にお参りする人は、病気平癒や肉体的な病気、心の病気の平癒を願ってお参りになります。

鎌倉時代の寛喜2年(1230)京の町に寒風が吹き荒ぶ真冬に疫病が流行し、死者もおびただしい数にのぼりました。
このとき薬師如来が薬師院住職の夢枕に現われて「病気で苦しんでいるみなさん、わたしの前に来ると、どんな病もことごとく治り直るでしょう早くこぬか、こぬか」とお告げになりました。

住職は感激の涙を流し、世間にこのお告げを広く知らせたところ、遠くから参拝者がつぎつぎと訪れ疫病、諸病がことごと治ったといわれ、だれいうとなく「こぬか薬師」と親しみをこめて呼ぶようになりました。

寺伝によりますと、当院は、延暦元年(782)伝教大師比叡山延暦寺草創の大願により御年16年にして一刀三礼の薬師仏を七尊彫刻されたそのご一体で、始めは美濃国にお祀りしてありましたが、織田信長公が岐阜に在住していたころ、京都に分霊を当院にお祀りしたもので、明治ご維新の蛤御門の変にて本堂をはじめ、ことごとく焼失し、本寺黄檗頭緑樹院十五代竺杖和尚の法弟亀山和尚が、近衛家の庇護に依り薬師堂を再建奉祀し明治22年縮少再建されました。

昭和59年4月吉野住職が近隣の大黒町の住民とともに復興にのりだしました。

名称 不来乎薬師(こぬかやくし)(医徳山 薬師院)
ご本尊・祭神 薬師如来
ご利益 疫病・諸病平癒
住所 京都市中京区釜座通二条上ル大国町688
電話 075-211-1890
拝観時間 自由
料金 無料
アクセス 地下鉄「烏丸丸大町」南西 徒歩10分。市バス「烏丸二条」下車北へ

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